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介護認定の「更新」。状態が変わっていないのに下がるのはなぜ?

介護認定の「更新」。状態が変わっていないのに下がるのはなぜ?

「状態はむしろ悪化しているのに、要介護度が下がってしまった…」。このお気持ち、痛いほどわかります。私も母の認定更新時、同じ経験をしました。認知症の症状が進んでいるのに、判定が下がった瞬間、目の前が真っ暗になったのを覚えています。

あなたは決して一人ではありません。この理不尽さには、明確な理由と対処法があります。今日は、その「なぜ」を解き明かし、具体的な一歩まで、私の実体験を交えてお伝えします。

状態が変わらないのに要介護度が下がる3つの理由

まずは、少し深呼吸してください。パニックになると見えなくなることがあります。理由を知ることで、冷静な次の一手が見えてきます。

1認定調査の「一瞬」がすべてを決めるわけではないが、影響は大きい

要介護認定は、調査員が訪問し、約70項目以上の質問に基づいて行われます。ここに大きな落とし穴があります。

  • 「ハロー効果」:久しぶりの来客に、ご本人が普段より張り切って応対してしまう。調査の緊張から、かえってしっかりして見えてしまうことがあります。
  • 「見せられない本音」:失禁の頻度、夜中の混乱、家族にしかわからない細かい危険な行動…。これらは、短時間の調査では見えにくいものです。

2「認知症」と「身体機能」は別枠で評価される

これは大きな盲点です。介護認定は、「身体機能」と「認知機能」を分けて評価します。

重要なポイント

「認知症がひどくなった」=「自動的に要介護度が上がる」わけではないのです。身体的な自立度が高いまま認知機能だけが低下した場合、数字上は「変化なし」、または以前より「できる」と回答した項目があると、点数が下がることがあるのです。

3全国一律の「コンピューター判定(一次判定)」の限界

調査結果は、まず全国共通のコンピューターシステムにかけられ「一次判定」が出ます。ここでは、調査票の数字だけが判断材料。ご家族の「毎日の疲弊度」といった生の声は、反映されません。


絶対に諦めないで。「区分変更申請」という具体的な対処法

「納得いかない結果だった…」。そう感じたあなたが取るべき行動は、「区分変更申請」を検討することです。これは、認定結果に不服がある場合に再度調査を請求できる、あなたの正当な権利です。

Q. 区分変更申請は、更新とは別の手続きですか?

A. はい、全く別の手続きです。更新の結果に納得がいかなかった場合や、その後状態が明確に悪化した場合に、新たに申請することができます。

以下は、私が母の要介護度を引き上げるために実践した、成功への5ステップです。

ステップ1:即座にケアマネジャーに意思表示する

「この結果には納得できません。区分変更申請を検討しています」とはっきり伝えましょう。良いケアマネジャーなら、手続きをサポートしてくれます。

ステップ2:「介護の事実」を1ヶ月間、記録する(証拠作り)

これが最も重要です。調査員に「言葉」で伝えるだけでなく、「記録」という客観的な証拠を見せましょう。

日付 時間 具体的な出来事 負担・時間
例)6/10 深夜2時 「家に帰る」と外出しようとする。制止すると怒り出す。 対応に1時間。睡眠不足。
例)6/12 午後3時 失禁。自分で処理しようとし、床を汚す。 後片付け・入浴介助で計1.5時間。

ステップ3:調査員への「個別説明」を徹底する

調査の際、必ず時間をもらい、「介護日誌」を見せながら説明します。「母は調査の時は緊張してよく見えるんです。でも、実際はこの通りで…」と、ギャップを具体的な数字で伝えましょう。

ステップ4:主治医の意見書を最大限に活用する

かかりつけ医に、認知症の進行状況や行動・心理症状(BPSD)の具体例を、「意見書」に詳しく記載してもらいます。

ステップ5:審査会への「意見照会」を依頼する

ケアマネジャーを通じて、介護認定審査会に対し、ご家族としての意見を書面で提出できる場合があります。感情を込めず、事実を整理して伝えましょう。

知っておくべき最大のリスク:更新忘れ

認定には有効期限があります。更新手続きを忘れ、期限が切れてしまうと、どうなるでしょうか。

介護サービス利用料が、一時的ではありますが、全額自己負担(10割負担)になるリスクがあります。デイサービスや訪問介護の料金をすべてご自身で支払わなければならなくなる可能性があるのです。ケアマネジャーと連携し、更新時期は必ずカレンダーにマークしましょう。

あなたの「当たり前」が、一番の判断材料です

介護認定のシステムは、どうしても画一的になりがちです。でも、毎日向き合っているあなたが感じる「大変さ」は、何よりも尊い事実です。

「言いづらい…」「わがままかも…」。そんな風に考えて声をひっこめてしまった頃の私がいました。その結果、無理が重なり、介護離職の一歩手前まで追い込まれました。

どうか、あなたはそうならないでください。制度は、正しく知り、正しく使えば味方になってくれます。

まとめ

  • 要介護度が下がる理由は、「調査の限界」「認知症と身体機能の別評価」「コンピューター判定」にある。
  • 納得いかない時は、「区分変更申請」という権利を行使できる。
  • 成功のカギは、「介護日誌」で具体的な事実を記録し、証拠として提示すること。
  • 更新期限の管理は必須。忘れると経済的負担が一気に増える。

介護は長期戦です。介護保険というインフラを活用しながら、ご自身の心と体を守ることも大切な仕事。認定のことでお困りなら、まずは一歩、ケアマネジャーに「話したいことがあります」と伝えることから始めてみませんか。

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